住宅を購入する際は、自分が持っている資金よりもはるかに大きな額のローンを組む人がほとんどです。将来的な返済の負担を考えると、「いったいどのくらいの予算で買えば良いのか検討がつかない……」という人も多いのではないのでしょうか。そこで今回は、住宅購入者、購入予定者600人を対象に行ったアンケート結果を基に、住宅購入の際に予算を算出した方法や実際の購入額について、ARUHIマガジン編集部が調査しました。
【調査結果】住宅購入予算の総額はいくら?
住宅購入額、購入予算は、世代による大差なし
「購入した住宅にかかった金額の総額、または購入予定の住宅の予算を教えてください」と聞いたところ、全体の平均額は「3,499万円」でした。住宅購入者と購入予定者に分けた調査結果にも大きな差はなく、住宅購入額と購入予算額の平均は約3,500万円といえそうです。
しかし、未婚・既婚に分けて見てみると、未婚の購入者だけが平均額を900万円近く下回る結果となりました。独身で住宅を購入する人の中には、自身の老後のためにファミリータイプよりもコンパクトな物件を買う人や、将来結婚する可能性を考えて、資産運用のために低価格の物件から購入する人などが多くいるのではないかと推測できます。
世代別の調査結果については、それほど大きな差額は見られませんでしたが、20歳代・30歳代という若い世代の金額は低く、収入が増える40歳代・50歳代は高くなっていることがわかりました。
また、60歳代は購入予算額が全年代の中で最も高い「4,228万円」であるのに対し、購入額は「3,210万円」と大きな開きがありました。退職金などが入るため、自己資金は多いと考えられますが、将来的な収入が少なく、長期ローンの支払いが難しいことから、実際の購入額が下がる傾向にあると思われます。
住宅購入額、購入予算額には、土地・建物以外の支出も含まれる
今回の調査で答えてもらった金額は、土地・建物の購入費用(予算)に『諸経費』を合わせたもの。諸経費には、「税金」や「登記費用」、ローンを組む際の「融資手数料」、地震や火災に備えた「各種保険料」などの他に、「引越し代」「家具・インテリア代」「家電代」なども含まれます。
諸経費についても融資が受けられる住宅ローンが存在しますが、一般的には建物の引渡しや引越しのタイミングで支払うことになるので、なるべく実費で用意しておいた方が良いでしょう。
ちなみに諸経費額の目安は、新築の場合で物件価格の3〜7%、中古の場合は物件価格の6〜10%程度だといわれています。
【調査結果】住宅購入予算の算出方法は?
予算の算出は物件情報サイトのシミュレーションや不動産会社に依頼
「住宅購入の予算は、どのように算出しましたか」と質問したところ、「物件情報サイトのシミュレーション機能より」が31.0%、「金融機関のホームページのシミュレーション機能より」が18.8%と、インターネットのシミュレーション機能を利用して自分で調べている人が約5割を占めていることがわかりました。
また、「物件を紹介してくれた不動産業者に相談した」も29.7%と3割近くに登っています。「その他」の具体的な回答では、シミュレーションサイト以外の方法が挙がっています。
・「アプリを利用した」(32歳/女性)
・「チラシなどから推測」(44歳/男性)
・「不動産誌を見た」(49歳/男性)
また、専門業者に相談する場合、不動産業者ではなく工務店や設計事務所へ問い合わせている人も多いようです。
・「ハウスメーカーの方の試算で」(39歳/女性)
・「設計会社」(61歳/男性)
・「工務店の知り合い」(42歳/女性)
・「大工さんに相談した」(41歳/男性)
・「合い見積もり」(58歳/男性)
・「マンションの営業担当者」(60歳/女性)
まとめ
住宅の購入額、購入予算額の平均は3,500万円であることがわかりました。年代による大きな差額はありませんが、独身者が購入する際には価格の低い物件を選ぶケースが多いようです。
また、具体的な予算を算出する際には、インターネットなどを利用して自分で調べる人が過半数を占めたほか、専門家に聞く際には住宅メーカーや不動産業者、工務店などに問い合わせる人も目立ちました。相場を知るために、複数の業者に合い見積もりを依頼するのも有効な手段といえそうです。
皆さんも、まずは空いた時間を使って気軽に確認ができるシミュレーションサイトを活用すると、予算のイメージがしやすいかもしれません。その上で不動産業者などへ相談に行ってみると、話もスムーズに進むのではないでしょうか。
【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入者、購入予定者の20代から60代の男女
調査期間:2017年6月26日~28日
有効回答数:600サンプル