新築マンションや戸建てを購入すると、引き渡しの前に行われるのが「内覧会(お披露目会)」。やっと完成したマイホームに気持ちも舞い上がってしまいますが、内覧会は、ただのお披露目の場ではありません。建物が契約した通りに完成しているか、不具合などはないかを確認する、引き渡し前のいわば「最後の関門」なのです。人の手でつくられる住まいですので、どうしても多少の施工品質のバラつきがあります。
必ず、お引き渡し前に、建物の仕上げを確認しておき、入居前に直してもらっておく必要があります。
今回は、新築一戸建ての内覧会で実際に遭遇したトラブルをホームインスペクター(住宅診断士)が解説します。
知らずに引き渡しを受けていたら・・・
ホームインスペクターが床下内部に進入したところ、床面が濡れていました。
売主側にて詳細調査を行ったところ、設備排水管からの漏水と判明。
このまま知らずに引き渡しを受けて、入居後にキッチンやお風呂を使用していたら、さらに被害が拡大してしまうところでした!
全ての設備給排管を確認して補修を行い、問題なく引き渡しが出来ました。
新築なのに、カビ臭い・・・原因はコレ!
換気扇周囲に白い斑点が・・・これは『カビ』です。
このカビの原因は床下内部に換気扇が設置されていましたが、24時間換気をしなくてはいけないところ、ブレーカーがOFFになっていたため、換気がされていない状態でした。
その結果、このように『カビ』だらけになってしまいました。引き渡し前までに『カビ』を除去してさらに除菌をして無事、引き渡しを受けました。
大掛かりな補修が必要なことも… 基礎の不具合
床下の基礎の立上り部分に、ひび割れを伴うサビ汁が発生していました。売主側にて詳細調査を行ったところ、ひび割れしている部分の鉄筋がひび割れ部分から空気中の水分に触れ、中でサビてしまっていたのです。
建物を支える基礎の部分で新築時からこのようなケースを目の当たりにされると、購入された方も不安が大きいもの。引き渡し前に大掛かりな補修工事をしてもらい、無事に引き渡しを受けることが出来ました。
今回は「新築一戸建て内覧会(竣工検査)立会い・同行」で実際に見つかった事例の中でも、ご自身ではチェックの際に見落としがちな床下の不具合事例をご紹介しました。
写真のように、クローゼットや物入れ下部、キッチン・洗面脱衣室などに収納を兼ねた点検口などが設置されていれば、床下の点検はご自身でも容易に出来ます。
『開けて見る』これだけで、床下が漏水しているかを確認できることがあります。さらに顔を入れて懐中電灯で覗き込めば、さらに範囲を広げて確認できることもあります。
竣工検査(内覧会)の際は是非、床下内部も忘れずにチェックしてみてください。
本記事は、株式会社 さくら事務所による寄稿記事です。
(最終更新日:2019.10.05)