早いもので、2018年も折り返しの6月となりました。住宅ローンの金利動向には、北朝鮮問題をはじめとする地政学リスクが関わってきますが、4月27日と5月26日に南北首脳会談が行われ、大きな注目を集めました。こうした動きは、住宅ローン金利にどのような影響を及ぼしたのでしょうか? 2018年6月の住宅ローン【フラット35】の金利の動向をチェックしましょう。
【フラット35】の金利と連動している機構債の表面利率は、0.02%引き上げ
2018年5月の【フラット35】金利が決定した後の4月27日、10年ぶりの南北首脳会談が開催されました。5月10日にはアメリカのトランプ大統領が、北朝鮮の金正恩朝鮮労働委員長と6月12日にシンガポールで首脳会談を開くと発表。非核化への期待に加え、原油高を背景とした物価上昇が進む観測も強まり、アメリカの長期金利は大きく上昇しました。日本もその余波で、長期金利の指標となる国債金利(新発10年国債利回り)が上昇。【フラット35】の金利に直結する住宅金融支援機構債の表面利率も先月から0.02%上昇し、0.42%となりました。
ちなみに、米朝首脳会談の延期報道や今年2度目の南北首脳会談といったトピックは、金利決定後の出来事。6月の【フラット35】金利には影響しませんでした。
2018年6月の【フラット35】金利は、3ヶ月ぶりに微増
今月(2018年6月)の、全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】の融資率9割以下、返済期間21~35年の金利は先月から0.02%引き上げとなり、機構団信を含めて1.37%に。団信の特約制度が変更となった翌月にあたる、2017年11月時と同水準の金利となりました。融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は0.01%アップの1.31%で、いずれも微増となっています。
【2018年6月実行金利【フラット35】】
商品名 | 借入期間 | 実行金利(機構団信加入) | 前月(2018年5月)比較 |
【フラット35】(全期間固定) 融資比率9割以下 |
15年~20年 | 1.31% | 0.01%引き上げ |
21年~35年 | 1.37% | 0.02%引き上げ |
また、物件価額の2割以上の頭金があれば、従来の【フラット35】よりも低い金利が適用される「ARUHIスーパーフラット8(従来のARUHIスーパーフラット)」は1.27%。物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット9」は1.32%で、いずれも先月の金利から0.02%引き上げとなりました。
なお、「ARUHIスーパーフラット」に提供しているARUHI団体信用生命保険は、2018年6月よりのラインナップを従来の1種類から5種類に拡充いたしました。
【2018年6月実行金利 ARUHIスーパーフラット8・9】
商品名 | 借入期間 | 実行金利(団信加入) | 前月(2018年5月)比較 |
スーパーフラット8 | 15年~35年 | 1.27% | 0.02%引き上げ |
スーパーフラット9 | 15年~35年 | 1.32% | 0.02%引き上げ |
なお、銀行大手3行(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・三井住友信託銀行)の2018年6月の住宅ローン金利は、10年固定金利型の最優遇金利を0.05%引き上げて、三菱UFJ銀行は「0.85%」※1、三井住友銀行は「1.15%」※2、三井住友信託銀行は「0.80%」※3 となりました。また、4月に金利を引き上げたみずほ銀行は「0.80%」、りそな銀行も「0.70%」と、前月からは据え置きとなっています。
今月の【フラット35】の金利は、0.01~0.02%上昇する結果となりました。トランプ大統領の強硬な外交政策をはじめとする地政学リスクの影響は、依然として先が読めない状況です。低水準の金利で借り入れ・借り換えを考えている方は早めの対策で、金利上昇のリスクに備えましょう。
(最終更新日:2019.10.05)