東京都内の“年収が高い人が住むエリア”TOP3! 住宅ローンの借り入れ実績よりARUHIが調査

マイナス金利政策の導入以降、住宅ローンは低金利を維持しています。また、消費税率の引き上げを控えていることなどから、「今のうちにマイホームを購入したい」と考えている方は多いでしょう。
【フラット35】は年収があまり高くない方々も利用しやすい住宅ローンとして広く認知されていますが、昨今の低金利も影響し、全期間固定金利の安心感を求める高所得層の方々からも支持を集めています。2017年にARUHIの【フラット35】を利用して東京都内で住宅を購入した方の単身年収を見ると、年収700万円以上の方が2割を超えていることからも、その傾向が伺えます。
そこで今回は、年収の高い【フラット35】利用者がどんなエリアの物件を購入しているのか、購入した物件の価格や物件種別、借入額、準備した頭金の額などとともに調査・分析しました。

23区の中で最も年収が高いのは中央区! 人気エリアで住宅を購入する人は年収も高め?

まずは、東京都内でARUHIの【フラット35】を利用して住宅を購入した方の年収をエリアごとに見てみましょう。

【平均年収年収ランキング】

 順位 市区町村 平均年収
1位 中央区 882万円
2位 港区 799万円
3位 渋谷区 732万円
4位 武蔵野市 708万円
5位 文京区 686万円
6位 目黒区 680万円
7位 江東区 668万円
8位 世田谷区 637万円
9位 杉並区 631万円
10位 豊島区 630万円
東京都平均 540万円

最も平均収入が高かったのは「中央区」で、882万円。文化や商業の中心地である銀座や日本橋、近年再開発が進む勝どきや月島も含むエリアです。

2位は、赤坂や六本木、開発著しい田町などを有する「港区」で、799万円。3位は渋谷や原宿、恵比寿などがある渋谷区で732万円でした。

以下、吉祥寺がある「武蔵野市」や、文教エリアとして人気がある「文京区」、「目黒区」「江東区」「世田谷区」と差がなく続き、東京都の中でも人気の高いエリアがランクインする結果となりました。

住宅購入費用・借入金額ともに、中央区が最多。港区民は借入金額に対して頭金が少なめ

それでは続いて、平均年収上位3エリアをピックアップして、住宅購入金額と借入金額、頭金の額をチェックしてみましょう。

【平均年収に対する平均購入金額、平均借入金額、平均頭金】

市区町村 平均年収 平均購入金額 平均借入金額 平均頭金
中央区 882万円 5,742万円 4,805万円 766万円
港区 799万円 5,321万円 4,654万円 363万円
渋谷区 732万円 5,332万円 4,534万円 603万円

平均購入金額が最も高かったのは、年収のランキングでも1位だった「中央区」で5,742万円。年収2位の「港区」が5,321万円、3位の「渋谷区」が5,332万円とほぼ同額でした。平均年収が高いエリアの方々が順当に、高額の物件を購入していることが分かります。

中央区の住宅購入者は夫婦2人世帯と単身者が6割超え。1割以上が管理職!

ここからは、平均年収ランキングで上位のエリアにスポットを当て、特徴を見ていきましょう。

最も年収が高かった「中央区」の家族構成は、夫婦2人世帯と単身者が同数でともに31.73%、夫婦と子どもが29.81%。お子様のいない世帯が6割を超えています。

年齢も、東京都のに対して平均40.9歳と少し高め。1割以上の方が役員や代表取締役といった上級管理職で、商社や大手小売業の方が目立ちました。平成26年の東京都統計年鑑によると、中央区の事業所は卸売・小売業が最も多く、3割近くを占めています。このことから、職場の近くに住まいを求めていることが予測できます。

また、20~30代の方はITやマスコミ関連など情報通信業の割合が多いことも分かりました。

物件種別は、新築マンションが57.69%、中古マンションが42.31%。全ての方がマンションを購入しています。都心のマンションであれば資産価値が見込みやすく、ライフステージに合わせて臨機応変に住み替えがしやすいでしょう。先々を見据えて中央区のマンションを選んだ方も、多いのではないでしょうか。

<中央区の特徴まとめ>
・平均年齢がやや高め
・上級管理職の割合が高い
・20~30代は情報通信業の割合が高い
・全員がマンションを購入

港区の住宅購入者は、ほとんどが中古マンションを購入。資産価値を重視する傾向か

続いては、2位の「港区」。住宅購入者の家族構成は、単身者、夫婦と子どもの世帯が同数でともに35.29%。夫婦のみの世帯が23.53%と続き、単身者にも子育て世代にも人気のエリアであることが分かります。平均年齢は37.3歳と他のエリアに比べて低く、働き盛りの世代が利便性を重視して住宅を購入するケースが多いと考えられます。

物件種別は、中古マンションがほとんどで98.04%、新築マンションが1.96%という結果に。中古物件は新築と比べて資産価値の大幅な下落リスクが少なく、コストパフォーマンスが高いと言われていますが、購入時にはどこまで老朽化が進んでいるか見極める事が大切ですし、リフォームを必要とするケースも多いでしょう。そうした判断力を求められるため、やや上級者向けの選択と言えます。それでもほとんどの方が中古マンションを選んでいるのは、港区は山手線の新駅誕生にともなう再開発事業で話題の田町など、今後資産価値の向上が予想されるエリアがいくつもあるからでしょう。

また、港区の全購入者のうち、不動産業の割合は13.73%。中央区の8.65%、渋谷区の12.5%と比べて高いことも特徴です。前述の通り少ない頭金で購入した人が多い事実からも、小さな資金で大きな利益を生む“レバレッジ効果”を考慮しつつ、将来性を意識した住宅購入であることがうかがえます。

<港区の特徴まとめ>
・平均年齢が低め
・ほとんどの人が中古マンションを購入
・頭金の額が突出して少ない
・不動産業に従事する人の割合が高い

渋谷区の住宅購入者の4人に1人が女性で半数が単身者。職住近接で働く人が多い?

3位だった「渋谷区」の住宅購入者を見ると、家族構成は単身者が多く38.89%、続いて夫婦と子どもが29.17%、夫婦のみが18.06%という結果に。渋谷区の住宅購入者の約27.78%が女性で、うち半数以上が単身者でした。

渋谷区には代々木公園が間近な「代々木上原」や、住みたい街ランキングで常連の「恵比寿」、流行の発信地として知られる「表参道」など、洗練された雰囲気でおしゃれな店が多く治安も良好なエリアが多く、女性の人気を集めているようです。

職業は、情報通信業の方が約2割を占めており、インターネット関連のベンチャー企業が集中するエリアらしい結果となりました。「2駅ルール」が話題となったサイバーエージェントや、近距離通勤手当を支給しているクックパッドなど、職住近接を推奨する企業が多いことも、渋谷区での住宅購入を後押ししているのかもしれません。

物件種別は、中古マンションが63.89%、新築マンションが22.22%とマンションが人気の中心。物件価格が高額なエリアのため、注文住宅を含めた戸建ての購入者は14%弱と少数派でした。

<渋谷区の特徴まとめ>
・単身者の割合が高い
・約4人に1人が女性の購入者
・情報通信業に従事する人が約2割を占めている
・マンションが中心

まとめ

今回は、アルヒ株式会社の住宅ローン【フラット35】利用者の中でも高所得層にスポットを当てて、傾向を調査・分析しました。その結果、東京23区の中でも交通アクセスの良さや、商業施設の充実度が抜きんでているエリアばかり上位にランクイン。高所得者は利便性が高い立地を選ぶ傾向が伺えます。

オフィスが集まる都心から至近の立地に住めば、毎日満員電車で通勤するストレスから解放され、出社後の仕事効率が向上。どこかへ出かける際のフットワークも軽くなります。通勤時間が短縮される分だけ、家族と過ごす時間や余暇を楽しむ時間、仕事をする時間も増えるでしょう。高所得者の方々は、時間を有効に使うことを重視して、住宅を購入しているのかもしれませんね。

■調査概要(ARUHI調べ)
調査地域:東京都
調査データ:ARUHIの【フラット35】を利用した方の成約データより
調査期間:2017年1月1日~2017年12月31日
※金額は1万円未満を切り捨てで記載

(最終更新日:2019.10.05)
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