Q.中古マンションのリノベーションを検討しています。リノベーション費用の相場はどのくらいなのでしょう? また費用の目安を調べる方法はありますか?(30代夫婦)
リノベの費用はどれくらいかかる? 平均費用や相場は?
まず、リノベーション費用の相場についてです。どこをどのようにリノベーションしたいかという要望によって変わってきますが、平均的な目安でいうと、1平米あたり10~15万円程度がボリュームゾーンといわれています。70平米のお部屋であれば、700~1,000万円程度のイメージです。
物件価格と違い、リノベーションに関しては、建物の状態や住宅の広さ、予算、間取り、希望する住宅設備、デザインといった施工内容が人それぞれ異なり、平均の費用や相場が一概には算出しにくいところです。建物の躯体のみ残して一新するスケルトンリフォームであれば、新築同様の工事費がかかります。あくまでも平均的なコストの目安として考えてください。
リフォームの平均費用は?
それだけの費用がかかるのであれば、新築物件を購入したほうが設備も新しくて良いのではないかと考える人もいることでしょう。その考え方にも一理あるのですが、たとえば東京の人気エリアなどには、すでにマンションが数多く建っており、利便性の高い場所に新たにマンションの建設用地を確保するのは簡単なことではありません。そのため、立地や利便性を重視したい人にとって、希望条件を満たす新築マンションが見つかる可能性は低く、中古物件を買わざるを得ない状況です。
仮にあったとしても、建築費や土地の価格が高騰しているため、新築マンションの価格は非常に割高になっています。そのため、中古マンションをリノベーションしたほうが、トータルの購入費用を抑えられることが十分に考えられるのです。
費用の目安はどう調べればいい?
ところで、先にお伝えした「1平米あたり10〜15万円」という平均的な目安ではなく、より正確な費用の目安を知りたい場合、どうしたらいいのでしょうか。
そのための最もおすすめの方法は、2~3社のリフォーム事業者に相見積もりを取ることです。1社だけだとその金額が高いか安いかわかりにくいですし、7~10社など多くの会社から見積もりを取ってしまうと、どれが良いのか選択肢が多すぎてわからなくなってしまうので、私は2~3社から取ることをおすすめします。
2〜3社の見積もりを比較してみれば、おおよその金額の目安はつかめると思いますが、それでも本当にその見積金額が適正かどうか不安という場合もあるでしょう。
そこで、個別箇所の目安をお伝えしておきましょう。
【マンションのリフォーム費用の目安】
リフォーム箇所 | 中心的なリフォーム費用 | |
水回り | キッチン | 60〜90万円 |
浴室 | 60〜80万円 | |
トイレ | 20〜30万円 | |
洗面所 | 20〜30万円 | |
居室 | リビング | 50〜100万円 |
ダイニング | 30〜60万円 | |
寝室 | 20〜40万円 | |
玄関 | 10〜20万円 | |
フローリング | 60〜90万円 |
リノベーションを行うときの注意点は?
次に、実際に中古住宅をリノベーションする場合の注意点をお伝えします。見積もりを取っただけではわからないのが「その業者に任せて本当に大丈夫かどうか?」という点でしょう。実際に工事をスタートする前には業者と会って打ち合わせという流れになりますが、下記のような点を意識しながら、その業者が信頼できそうかどうかを確認してください。
(1)施工事例が豊富である
(2)工事内容や工事にかかる費用の内訳をくわしく説明してくれる
(3)トラブルがあったとき誰が対応してくれるか、責任者は誰か、はっきりしている
(4)工事期間中、騒音やにおいなどの発生について近隣に十分配慮してくれる
(5)工期が延びる場合の補償や対応について取り決めがある
(6)相談や打ち合わせに真摯に対応してくれる
(7)アフターフォロー、瑕疵が生じた場合の保証が充実している
(8)口コミや地域の評判がいい
施工経験が豊富でしっかりと責任を持って対応してくれるかどうかが、最も大切なポイントであると私は考えます。また、みなさんの話や要望をきちんと受け止めて、希望をくみ取りながらリノベーションを進めてもらえそうかどうかという点もポイントになるでしょう。打ち合わせなどで話しているときに対応をしっかり見ておきましょう。
人間同士に相性の良し悪しがあるように、業者さんとの相性もあるものです。ストレス無くコミュニケーションが取れて、安心して工事を任せられる業者を選ぶことが、失敗しないリノベーションの秘訣です。
(最終更新日:2019.10.05)