リフォームローンの頭金はどれくらい必要?

Q. リフォーム工事を考えています。予算は500万円でリフォームローンを利用するつもりです。リフォーム工事の場合、頭金はどれくらい必要なのでしょうか。また、住宅ローンを返済中なのですが、リフォーム費用を住宅ローンに組み込むことはできますか?(50代/夫婦)

頭金が必要かどうかは業者によってまちまち

リフォーム工事を依頼する時、頭金がいるかは工事を依頼する先によってまちまちです。工事に取り掛かる前に頭金を請求してくる事業者もあれば、工事完了後に全額一括支払いでよい事業者もあります。

頭金が必要か、工事費用は工事のどのタイミングで支払うのか、また支払額はどのくらいなのか、工事の契約を結ぶ前に事業者に確認をして、契約書に記載しておきましょう。一般的に頭金として請求される金額は、工事費用の1割から2割くらいですが、工務店によっては工事に必要な材料費全額を請求してくる場合もあるので、後で「そんな話は聞いていない」ということにならないように注意してください。

なお、リフォーム工事の代金は、同じ内容の工事であっても、業者によってその金額が相当に違いますので、必ず複数の業者から見積もりを取ることが大切です。このとき、事業者は異なる地域の事業者を選ぶことをおすすめします。地域が違う事業者間のほうが、工事費用の価格差が出やすい傾向があるからです。

リフォーム費用はリフォームローンで借りられる

リフォーム費用の融資を受ける場合は、リフォームローンを利用することができます。

主だったリフォームローン商品の特色としては、

・担保の提供は必要ない
・返済期間は10年から15年くらいまで
・融資額は500万円から1,000万円まで
・利息は住宅ローンより高い(金融機関によっては固定金利、変動金利商品がある)
・申込時の手数料は印紙代程度の負担ですむ金融機関が多い

といった点があげられます。

ただし、どのような内容の工事がリフォームローンの融資対象になるかは、各金融機関によって取扱いが異なりますので、予定している工事が融資を受けられるかどうか、事前に確認しておく必要があります。

<リフォームローン商品>(参考)
・「【フラット35】リノベ」:
リノベーション(性能向上リフォーム)を行う場合や、リノベーション済中古住宅を取得する場合に、【フラット35】の金利を一定期間引き下げる制度

・「諸費用・リフォームローン/フリーダムプラス」:
ARUHIフラット35/ARUHIフリーダムをご利用のお客さま専用の株式会社アプラスが提供する、諸費用およびリフォームを対象としたローン

・「ARUHIフラット35/ARUHIスーパーフラット(リフォーム一体型)」:
中古住宅購入費用とリフォーム費用を同時に借り入れたい方必見!最長35年の新しいリフォーム一体型ローン

リフォーム費用を返済中の住宅ローンに組み込める?

ところで、返済中の住宅ローンがある場合、そのローンにリフォーム費用を組み込んで融資を受けることはできるのでしょうか。結論を申し上げれば、それは可能です。

リフォーム費用の融資を受けるには、

[1]現在の住宅ローンとは別にリフォームローンを借りる
[2]現在の住宅ローンを借り換え、リフォーム費用を含めてあらたに住宅ローンを組む

といった2つの方法があり、住宅ローンに組み込むには[2]の方法を取ることになります。

では、[1]の場合と[2]の場合では、支払額にどれくらいの違いが出るのでしょうか。リフォーム工事を行うタイミングを、住宅ローン借り入れから25年後【ケース1】と15年後【ケース2】の二通りとして、それぞれシミュレーションしてみましょう。

どちらのケースも、リフォームローンの借入額は500万円、返済期間は10年間とします。

<現在融資を受けている住宅ローン>
金利タイプ:全期間固定金利型
借入額:3,000万円
金利:年1.0%
返済期間:35年間
毎月の返済額:8万4,686円

<リフォームローン(住宅ローンと別に借りた場合)>
金利タイプ:固定金利型
借入額:500万円
金利:年2.0%
返済期間:10年間
毎月の返済額:4万6,006円

【ケース1】住宅ローン借り入れから25年後にリフォームをする場合

この時点での住宅ローンの残債は約966万円、これにリフォーム費用500万円を加えると、借入額の合計は約1,466万円です。

【[1]住宅ローンとリフォームローンを別に借りた場合】

   住宅ローン  リフォームローン  合計
 借入額(残高)  約966万円  500万円  1,466万円
 返済年数  35年(残り10年)  10年  -
 毎月の返済額  8万4,686円  4万6,006円  13万692円
 利息総額  約50万円(※)  約52万円  約102万円
 支払総額  約1,016万円(※)  約552万円  約1,568万円

(※)住宅ローン借入後26年から35年目10年間の合計額

この場合、住宅ローン完済までの10年間に支払う総額は、利息を含めて約1,568万円となります。

【[2]リフォーム費用を住宅ローンに組み入れて借り換えた場合】

   借り換えた住宅ローン
 借入額  1,466万円
 返済年数  10年間
 毎月の返済額  12万7,792円
 借り換えにともなう手数料  約30万円(金融機関によって金額は異なります)
 利息総額  約67万円
 支払総額  約1,563万円

金利タイプは全期間固定金利型、金利0.9%、返済期間10年間で借り換えたとすると、10年間に支払う総額は、借り換え手数料を含めて約1,563万円となります。

【まとめ】

【ケース1】住宅ローン借り入れから25年後にリフォームをする場合 支払総額
[1]住宅ローンとリフォームローンを別に借りた場合 約1,568万円
[2]リフォーム費用を住宅ローンに組み入れて借り換えた場合 約1,563万円
支払総額の差:「約5万円」

【ケース2】住宅ローン借り入れから15年後にリフォームをする場合

この時点での住宅ローンの残債は約1,841万円、これにリフォーム費用500万円を加えると、借入額の合計は約2,341万円です。

【[1]住宅ローンとリフォームローンを別に借りた場合】

   住宅ローン  リフォームローン  合計
 借入額(残高)  約1,841万円  500万円  2,341万円
 返済年数  35年(残り20年)  10年  -
 毎月の返済額  8万4,686円  4万6,006円  13万692円
 利息総額  約191万円(※)  約52万円  約243万円
 支払総額  約2,032万円(※)  約552万円  約2,584万円

(※)住宅ローン借入後16年から35年目20年間の合計額

この場合、住宅ローン完済までの20年間に支払う総額は、利息を含めて約2,584万円となります。

【[2]リフォーム費用を住宅ローンに組み入れて借り換えた場合】

   借り換えた住宅ローン
 借入額  2,341万円
 返済年数  20年間
 毎月の返済額  12万7,792円
 借り換えにともなう手数料  約45万円(金融機関によって金額は異なります)
 利息総額  約293万円
 支払総額  約2,679万円

金利タイプは全期間固定金利型、金利1.2%、返済期間20年間で借り換えたとすると、20年間に支払う総額は、借り換え手数料を含めて約2,679万円となります。

【まとめ】

【ケース2】住宅ローン借り入れから15年後にリフォームをする場合 支払総額
[1]住宅ローンとリフォームローンを別に借りた場合 約2,584万円
[2]リフォーム費用を住宅ローンに組み入れて借り換えた場合 約2,679万円
支払総額の差:「約95万円」

まとめ

シミュレーションの結果、【ケース1】では支払総額の差は約5万円だったのに対して、【ケース2】では約95万円の差となりました。【ケース1】では借り換えにかかる手間を考えると判断に悩む人もいらっしゃると思われますが、【ケース2】の場合は、リフォーム費用を住宅ローンに組み込んだほうが有利だといえるでしょう。

このように、住宅ローン商品の金利、借入期間の他、当初の住宅ローンの返済経過年数や残債の額によって支払総額は異なるため、リフォームローンを別に借りたほうがいいのか、住宅ローンに組み込んで借りたほうがいいのかはケースごとに変わってきます。リフォーム費用の借り入れにあたっては、シミュレーションを行ったうえで、慎重にローン商品を選ぶことをおすすめします。

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(最終更新日:2019.10.05)
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