高い賃貸料を払うくらいなら、老後に備えてマイホームを手に入れたい。最近、独身女性からそのような声が聞こえることが多くなっています。そこで「住宅を購入するにあたって気を付けることは?」「住宅ローンは組める?」「物件選びで注意することは?」「そもそも実現可能なもの?」などなど、気になるあれこれをARUHIマガジン編集部が調べてみました。
独身女性の年収と住宅ローン。年収500万円でもローンを組める?
・高い家賃を払い続けるよりは…
例えば3,000万円の中古マンションを購入するにあたり、“頭金なし”で3,000万円を借り入れるとすると(【フラット35】を利用、借入期間35年、全期間固定金利、元利均等返済、ボーナス払いなしを想定)、現在(※2017年8月時点)の金利動向なら月々の返済額は9~10万円で収まることも。
マンションの場合、修繕積立金や管理費が月々1万~2万円必要となり、毎月の住居費は、住宅ローンの返済額と合わせて10万~11万円となります。頭金を用意すれば、月々のローン返済額を減らすことが可能ですから、現在の家賃を払い続けるよりは、マイホームを手に入れるほうがお得と考える人がいるのも、自然な流れといえそうです。
(参考記事:女性単身者の“年収や物件購入金額”を調査! 住宅ローン【フラット35】利用状況を分析【前編】)
・住宅ローンの返済負担率を抑えよう
住宅ローンを組む際に重要なのは、“無理なく返済していけるかどうか”です。その判断材料の一つが「返済負担率」。収入に対して、住宅ローンの返済負担率を年収の30%~35%まで融資可能としている金融機関が多いですが、無理なく返済できる返済負担率は“25%前後”が目安とされています。
年収500万円の場合はその25%である125万円が目安となり、月にすると10.4万円が限度。借入額が3,000万円なら月々の返済額は9~10万円ですから、返済負担率の面ではなんとかクリアできているといえます。より負担を軽減したいなら、頭金を購入額の2割程度は用意しましょう。
独身ならではのリスクとは?
・ライフプランの変化
独身女性がマイホームを購入する場合に考慮しておきたいのが、ライフプランの問題。結婚をすればパートナーの拠点に合わせて転居する必要があるかもしれませんし、出産すればより広い住まいが必要になるかもしれません。また、結婚をしなくても、転職に伴って住む地域が変わる可能性があります。できれば、もし何か変化が起きたときに対応可能なように、手放しやすい(売却しやすい)物件を選ぶのがいいでしょう。
・住宅ローンの返済
住宅ローンの返済についても考えておきたいところ。結婚・出産によって収入が大きく減ってしまうかもしれませんし、家族が増えると支出も増えます。病気やケガなどで働けなくなり収入が途絶えてしまう可能性だってあります。そういった場合にもローンを払い続けることができるよう、対策を考えておくことが必要といえます。
どんな物件を選べばいい?
・根強い人気のマンション
独身が求めるマイホームの条件は「利便性」。職場に近い、都心や市街地へのアクセスがよい、駅に近いといったものが挙げられ、駅前や繁華街、オフィス街の一角にあるコンパクトな間取りのマンションが圧倒的に人気です。
・最近は戸建てを希望する人も。そのメリットは?
一番のメリットは、“資産の処分がしやすい”こと。マンションの資産価値は立地によって大きく変動しますが、一戸建ての資産価値はそれに比べると比較的緩やか。さらに、マンションは管理規約で利用用途が限られていますが、一戸建ては事務所として使用することもでき、マンションのように買主が限定されないことも売却しやすい理由といえそう。このほか、マンションに比べて騒音を気にする必要がない、ペットが飼いやすいといったメリットも。
ただ、長年住み続けるための建物や設備の定期的なメンテナンスに必要な費用を計画的に貯金し、マンションであれば管理会社がしてくれる家の周りの掃除や植物の手入れなどを自分でしなければならないこともお忘れなく。
・立地や間取りetc.…理想の条件は?
前述したように、独身女性は、結婚や出産、転職などライフプランに変化があった場合にマイホームに住まなくなる可能性があります。売却したり賃貸に出したりすることを考えると、「他人もこの家が欲しいと思うか」という視点を持ちたいところ。
例えば、駅前や繁華街、オフィス街は車通りが多く、騒がしいため、マイホームの購買層であるファミリー層には不向きだったりします。独身にターゲットを絞ったコンパクトな間取りも然り。自分がほしいものにこだわるだけでなく、「誰もが住みたくなる家」「汎用性のある家」のような、プラスアルファ分を考慮して購入するのが良いようです。
まとめ
独身女性がマイホームを購入することは珍しくない時代。物件選びも住宅ローンの借り入れも、結婚や出産、転職などライフプランの変化を視野に入れ、じっくりと考えて行動を起こしましょう。
(最終更新日:2019.10.05)