国税庁の「平成27年分民間給与実態統計調査」によれば、正規社員(男女)の1年間の平均給与は約485万円、男性(非正規含む)だけの場合は約521万円であると算出されています。年収約500万円で無理なくマンションを購入するためには、どのように資金計画を立てれば良いのでしょうか。いくらくらいのマンションが購入可能か、シミュレーションする方法をARUHIマガジン編集部が紹介します。
“準備できる頭金”がいくらか、把握することから始める
まずは、現在の貯蓄額から捻出できる頭金を算出します。頭金を多く出せば、住宅ローンとして借り入れる金額を減らすことができるので、少しでも多く出したいと考えますよね。しかし、住宅の購入以外にも、生活を送る上では自家用車の購入や子どもの進学といった多額の出費が発生します。
また、思わぬ事故や病気で休職せざるを得ない事態も、現実には起こりえます。このような将来も考慮し、住宅ローンを支払いながらも安心して生活できるように「生活予備費」を残しておかなければなりません。会社員ならば生活費の3~6ヶ月、派遣社員や自営業であれば1年分程度の生活予備費を手元に残しておくと良いとされています。「生活予備費」をしっかり確保して頭金を出しましょう。
無理なく返済できる住宅ローンってどのくらい?
まずは自分の年収を知ろう
住宅ローンを考えるためには、正確な年収を把握しなければなりません。この年収とは、「税金や社会保険料が引かれる前の額面金額」のことです。手取り額ではないので、注意しましょう。会社員であれば毎年1月頃に受け取る「源泉徴収票」を見ると、前年の年収が確認できます。
理想的な返済負担率は?
返済負担率とは、年収に対する1年間の返済金額の割合のことです。一般的に、無理なく返済を続けるための目安は25%、理想は20%以内と言われています。年収が500万円の場合、その25%は125万円、20%は100万円です。これを12ヶ月で割ると、25%ならば約10万円、20%ならば約8万円になります。つまり、年収500万円における月々の返済目安は10万円、理想は約8万円以内で設定した方がよいということになります。
しかし、同じ年収でも家族構成などによって月々必要となる生活費は異なります。それぞれのライフスタイルに合わせて、支払いが可能な返済額を検討することも大切です。
無理なく購入できるマンション価格は?
<毎月返済額:10万円、返済期間:35年>
審査金利 | 借入可能額目安 | |
銀行 | 4% | 2,200万円 |
フラット35 | 1.06%(融資率9割以下、返済期間21~35年)※2017年5月金利 | 3,500万円 |
<毎月返済額:8万円、返済期間:35年>
審査金利 | 借入可能額目安 | |
銀行 | 4% | 1,800万円 |
フラット35 | 1.06%(融資率9割以下、返済期間21~35年)※2017年5月金利 | 2,800万円 |
※ローンシミュレーションは、 住宅金融支援機構HPの【毎月の返済額から借入可能金額を計算】より試算
あくまでも購入できる物件価格を算出した場合です。無理なく支払していくためには、頭金を入れたりして、理想の物件を手に入れてください。また、どんな物件がいいのか迷っている方は、この金額を目安に探してみるのもいいかもしれません。
いつまで返済が可能なのか、ライフプランと合わせて考えよう!
月々の返済金額とともに、自分たちがいつまで支払い続けられるのかを考えることも必要です。一般的な定年退職の年齢は60歳とされていますが、「子どもが大学に入学するまでにはローンを終えたい」「65歳までは継続雇用制度を利用して働くので、もう少しゆったりローンを組みたい」など、ライフプランに合わせていつまでに返済したいのかを考えましょう。
マンション購入には年間維持費も発生するので要注意!
一戸建ての住宅とは異なり、マンションには管理費や修繕費積立金という支払も月々必要になります。住宅ローンを検討する際には、これらの負担も併せて考えなければなりません。物件よって異なりますが、多くの場合が毎月2万円前後を支払うことになります。例えば、返済負担率25%で月々約10万円のローンの返済を行う場合、管理費等を加えると約12万円の負担になります。この金額が無理なく支払えるのか、または管理費等も含めて月々の負担を約10万円に抑えた方がよいのか、しっかり検討しましょう。
まとめ
月々いくらを、何年間支払うことができるのかを検討し、それに頭金として用意できる金額を合わせた総合計が、無理なく物件を購入できるおおよその金額です。マンション選びの第一歩は、堅実なマネープランから。しっかり返済計画をたてて、理想のマンションを手に入れてくださいね。
(最終更新日:2019.10.08)