東京ガス都市生活研究所は、子育て期において親の手がかかる年齢である「小学生以下の長子」を持つ子育てママを対象に、「日常生活」「近所づきあい」「コミュニティ活動」「コミュニティ活動の場」に関する意識や実態を調査した。本レポートでは、夫婦共に就労時間週30時間以上の子育てママを「共働きママ」、週30時間未満の子育てママを「非共働きママ」と定義し、就労別、長子の学齢別に、地域の子育て関連施設やサービスへのニーズを明らかにした。
【子育てママ全体の特徴】
・小学生の子どもを持つママは、子どもの防犯に関する不安が高まる。
・子育てママは「何かあった時に子どもが近所の人に助けてもらえるようにしておきたい」といった意識が強く、子どものの安全面を意識した近所との関係づくりを行っている。
・子育てママが現在参加しているコミュニティ活動は、幼稚園や小学校などの子どもを介したコミュニティ活動が中心になっ ている。
<ニーズ>
防犯面において、子どもの安全を担保できる地域サービスのニーズが高まると思われる。
【共働きママの特徴】
・共働きママは子育て関連施設やサービスの利用率が非共働きママに比べて高い。
・共働きママは、子どもの居場所に加えて、提供サービスの質を求めている。例えば、「学童の育成時間延長・土曜休日育 成」や、「子預け+勉強をみる」といったサービス付き子預け施設を求める声が多い。
<ニーズ>
子どもの小学校入学前に、“放課後の過ごし方”について不安が高まる共働きママに対して、子どもの居場所の確保はもちろん、“提供サービスの内容”や“質”を追求するサービスが有望と思われる。
【非共働きママの特徴】
・未就園児を持つ非共働きママでは、「子どもと自分だけの空間に閉そく感を感じる」人が約6割にのぼる。
・共働きママに比べて「立ち話・世間話ができる程度」「相談・お願いごとができる程度」の近所づきあいが活発である。
・未就園児を持つ非共働きママは、子育て関連施設やサービスの利用率が共働きママに比べて低いが、「子ども家庭支援セ ンター」「保育園の一時預かり」の今後の利用意向は高い。
<ニーズ>
非共働きママは、初めての子育てに対する不安を抱えており、子どもと二人だけの空間に閉そく感を感じている。子育ての不安を地域とのつながりで解消するサービスが有望と思われる。
【調査概要】
■定性調査
調査時期:2016年6月下旬~7月上旬
調査対象:一都三県在住、25~49歳、既婚女性(夫婦と子ども(長子・小学生まで)から成る世帯)
回答者数:36名
■定量調査
調査方法:インターネット調査
調査時期:2016年9月下旬~10月上旬
調査対象:一都三県在住、25~49歳、既婚男女(夫婦と子ども(長子・小学生まで)から成る世帯/夫婦2人世帯)
回答者数:1,785名