“子育て”と“親の介護”が同時期に発生する状況を表す「ダブルケア」という言葉がある。ソニー生命保険株式会社と横浜国立大学大学院国際社会科学研究院の相馬直子准教授、ブリストル大学(英国)社会・政治・国際学研究科の山下順子講師は、昨年に続き2回目となる全国規模での「ダブルケアに関する調査」を実施した(調査期間は2016年10月29日~11月6日、対象は全国の大学生以下の子どもを持つ親、回答数2,100名)。
調査の結果、対象者全体の中で「ダブルケアを経験した人(直面中と過去に経験の合計)」は6.5%、「ダブルケアが自分事の問題である人(経験と数年先に直面の合計)」は13.5%だった。
ダブルケアの負担については、経験者59.4%が「精神的にしんどい」と回答。次いで「体力的にしんどい」55.8%が続いた。
未経験者の回答は「体力的にしんどい」が最も多く44.9%、次いで「精神的にしんどい」42.9%が続いた。さらに「負担は感じないと答えた人の割合を見ると、経験者は1.4%だが未経験者は29.5%と約3割にのぼっており、経験者の実感とは大きな開きが見られた。
また、介護や育児を理由に、仕事をやめたことがある有職者(1,547人)は全体の13.3%いることも分かった。男女別に仕事をやめたことがある人の割合を見ると、男性は6.2%であるのに対し、女性は27.3%にのぼった。ダブルケアの経験別に仕事をやめたことがある人の割合を見ると、ダブルケア経験者は29.8%で、特に女性経験者では37.8%、男性経験者でも24.6%となった。
ダブルケア経験者が仕事との両立で苦労した点として最も多かったのは、「ダブルケアという問題が職場で認知されていない」が34.2%だった。
ダブルケアと仕事の両立で優先したいことについては、「子育て・介護・仕事をバランスよく生活したい」が41.6%で最も多かった。
ダブルケアに関する毎月の平均負担額の合計は81,848円。親の医療や介護関連の費用は、すべてを親の年金や預貯金から出している人は約2割で、50%以上を親自信が負担している人は71.7%だった。
また、経験者にダブルケアへの備えとしてやっておいたほうがよいことは「親が元気なうちに話し合う」が34.8%で最も多く、「子育て・介護に関する地域の支援制度を調べる」が31.9%で続いた。
ニュース参照元:PR TIMES
ニュース情報元:ダブルケアに関する調査2017