静岡県沼津市にある義父の土地を買い取り、念願の注文住宅を建てたSさん

転勤族で全国各地を転々としていたSさん。お子様の暮らしを考え、実家がある静岡県内で注文住宅を建てることになりました。親戚の土地を購入した経緯や、紆余曲折の末に始まった家づくり、現在の暮らしについて語っていただきました。

実家がある静岡県で、住宅購入を決意

転勤が多い職業柄、1~2年ごとに官舎を転々としてきました。最後に暮らしたのは、静岡県駿東郡小山町です。JR「御殿場」駅から車で30分の立地で、職場まで徒歩10分。通勤環境で便利でしたが、鉄筋コンクリート造だったので結露が酷かったですね。収納スペースの不足も気になっていました。

これからも転勤は避けて通れませんが、娘の子育てを考えると腰を据えて暮らす時期だと思いました。私の実家が小山町にあるため、転勤先が静岡県になったタイミングでマイホームを建てたいと考えていました。

「外観はすっきりとしたシンプルなデザインにしたかった」とSさん。両隣の家に配慮しながらも、大きな窓を設けることで家の中をできるだけ明るくしている。
「外観はすっきりとしたシンプルなデザインにしたかった」とSさん。両隣の家に配慮しながらも、大きな窓を設けることで家の中をできるだけ明るくしている。

親戚から土地を買い取って注文住宅を建てる

家づくりの予算は、インターネットのローンシミュレーションサイトで収入に対して無理なく支払えそうな金額を計算して、2,500万円に設定しました。

まずは、家を建てる土地をどうするかが課題でした。できるだけ実家の近くが良いと思っていたのですが、そんな時に、姉が父から借りて暮らしていた住まいを引っ越すことになったんです。実家から1時間ほどの立地なのですが、この土地を買い取って、家を建てることになりました。

倉庫の壁には杉板を張り、カスタマイズしやすいように配慮。DIYで自転車をかけるフックなどを設置している。自転車やアウトドア用品、日曜大工用の工具、靴などの他、米や野菜のストック、防災用品、資源ごみの一時置きとしても重宝しているそう。「今までは玄関収納や押入れなどあちこちに分散しないと収納できなかったものを、まとめてしまえるようになりました」
倉庫の壁には杉板を張り、カスタマイズしやすいように配慮。DIYで自転車をかけるフックなどを設置している。自転車やアウトドア用品、日曜大工用の工具、靴などの他、米や野菜のストック、防災用品、資源ごみの一時置きとしても重宝しているそう。「今までは玄関収納や押入れなどあちこちに分散しないと収納できなかったものを、まとめてしまえるようになりました」

大手ハウスメーカーに施工を依頼も、一旦白紙に

神奈川勤務の頃から住宅展示場巡りをしていました。実家が注文住宅を建てた際、依頼したハウスメーカーが経営破たんで潰れてしまったため、そういった心配のない会社にお願いしたいと考えていました。

無垢材を取り入れた木造住宅に惹かれ、大手ハウスメーカーに相談。プランを作成して貰ったのですが、打ち合わせを進める度に金額が膨らみ、1,000万円もオーバーしてしまう事態に。一旦白紙に戻しました。

倉庫の隣には、Sさんの趣味部屋として和室を設けた。ダークブラウンの縁なし畳を敷設し、落ち着いた雰囲気を醸し出している。「実際に住んでみると、思ったほど使わず。ここも土間にすればよかったかと少し後悔していますが、雛人形を飾るのにはちょうど良いスペースです」
倉庫の隣には、Sさんの趣味部屋として和室を設けた。ダークブラウンの縁なし畳を敷設し、落ち着いた雰囲気を醸し出している。「実際に住んでみると、思ったほど使わず。ここも土間にすればよかったかと少し後悔していますが、雛人形を飾るのにはちょうど良いスペースです」

静岡県内の工務店に施工を依頼

神奈川勤務から東京都内へ配属となった頃、インターネットで静岡県内の工務店について情報を収集。帰省時に3ヶ所ほど訪問しました。

その中で、社長さんの人柄がよく信頼できそうだと感じた工務店に依頼を決定。敷地が縦長でも狭さを感じさせない間取りを希望しましたが、予算内で私たちの希望が全て叶うプランを考えてくれたことも嬉しかったです。

設計当初は納戸として設けたスペースは現在、子ども部屋として活用している。「全ての居室の床に、工務店さんがお薦めしてくれたパインの無垢フローリングを敷設しました。普段は裸足で生活していますが、フローリングのようにひんやりとせず木の感触も良いですね。壁に塗った漆喰の効果も大きいと思いますが、冬場でも空気の乾燥が気にならなくなりました」
設計当初は納戸として設けたスペースは現在、子ども部屋として活用している。「全ての居室の床に、工務店さんがお薦めしてくれたパインの無垢フローリングを敷設しました。普段は裸足で生活していますが、フローリングのようにひんやりとせず木の感触も良いですね。壁に塗った漆喰の効果も大きいと思いますが、冬場でも空気の乾燥が気にならなくなりました」

住宅ローン審査や着工が遅れた理由とは

施主の声に耳を傾けてくれる姿勢に共感し、納得の上で依頼をした工務店ですが、不満がなかったわけではありません。同時期にたくさんの案件を抱えていたようで、対応の遅れが気になりました。

そのせいで、住宅エコポイントの際は、工務店さんが確認申請の必要書類の提出が間に合わず、ギリギリの申請になってしまい、結局、エコポイントの申請を締め切られてしまったことも残念でした。引き渡しもギリギリで、掃除もちゃんとされていない状態でした。

Sさんが一番気に入っている場所だという、リビング。壁の上部に間接照明を入れ、コテムラを残しながら塗った漆喰の凹凸を美しく照らしている。
Sさんが一番気に入っている場所だという、リビング。壁の上部に間接照明を入れ、コテムラを残しながら塗った漆喰の凹凸を美しく照らしている。

住宅ローンは金利上昇の心配がない固定金利を選択

住宅ローンに関しては、変動金利と固定金利で迷いました。最終的には、低金利の時代がいつまで続くか不透明なことから、安心感のある全期間固定金利を選択。インターネットで情報を収集した中で評判がよく、店舗で担当者に直接相談することができるアルヒ株式会社で契約しました。夫が公務員で勤務年数も長いため、審査については心配していませんでした。

夫が単身赴任になれば、今後は住宅ローンの返済に加えて赴任先の家賃と生活費も払わなければなりません。住宅ローンの返済に全く不安がないわけではありませんが、現在は無理なく返済できています。娘が大きくなって教育資金に目途が付いたら、繰り上げ返済も検討したいと思っています。

一続きの広々とした空間にこだわったLDK。南北に大きな窓を設けて明るく、のびのびと過ごせるように配慮している。「キッチンは明るい色にしたいと、夫がイエローをチョイス。リビングのソファの隣には収納を造作し、雑多なものをすっきりとしまっています」
一続きの広々とした空間にこだわったLDK。南北に大きな窓を設けて明るく、のびのびと過ごせるように配慮している。「キッチンは明るい色にしたいと、夫がイエローをチョイス。リビングのソファの隣には収納を造作し、雑多なものをすっきりとしまっています」

「我が家が一番!」と思える住まいに

新居は1階に納戸と和室、2階にLDK、3階に寝室とウォークインクローゼット、水廻りを設けた3LDK。床には無垢フローリングを敷設することにこだわりました。賃貸住宅の照明は専ら蛍光灯でしたが、間接照明を多用し、リビングダイニングには暖色に調光できるシステムも導入。ダイニングテーブルやソファを新調し、居心地のよい空間を作り上げています。

引っ越して以来、どこかへ旅行に行っても「自分の家が一番快適」と感じるようになりました。収納スペースを工夫したので、毎日の掃除もとてもラクになりましたね。子育て環境も整い、納得の家づくりができました。

洗面台を敢えて廊下に設けることで、ゆとりある広さの脱衣スペースを確保。代わりに作業台を設け、アイロンかけや洗濯物の整頓、化粧台として、ドライヤーの使用時も活用しているそう。「洗面台が汚れたり詰まったりすることを防げますし、南向きで明るいので気持ちよく過ごせます」
洗面台を敢えて廊下に設けることで、ゆとりある広さの脱衣スペースを確保。代わりに作業台を設け、アイロンかけや洗濯物の整頓、化粧台として、ドライヤーの使用時も活用しているそう。「洗面台が汚れたり詰まったりすることを防げますし、南向きで明るいので気持ちよく過ごせます」
(最終更新日:2019.10.05)
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