新築分譲マンションを購入する時、建物が完成していない場合には、販売センターに併設された「モデルルーム」を見学することで実際のイメージをつかみます。
しかし、ただ室内を回って雰囲気を感じただけでは見落としてしまう情報も多くあります。
モデルルーム見学の際にはどのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか? ARUHIマガジン編集部が調べてみました。
まずはライフスタイルについて考えよう
マンションには様々な条件の住戸が存在します。同じ建物であっても、階数や部屋の向き、間取りによって住環境は異なります。
“快適な生活”を手に入れるためには、ライフスタイルに合った住戸を選ばなくてはいけません。
まずは、“理想とする暮らし方”についてよく考え、モデルルームの見学に向かいましょう。
オプションに注意しよう
モデルルームでは、具体的な生活をイメージさせるために、標準仕様の住戸には付いていない「オプション」と呼ばれる設備や調度品が設置されています。
特に、プロのコーディネーターによってセットされている家具や照明、カーテンなどのインテリアは、モデルルームをより魅力的に見せるために色や配置が工夫されています。
しかし、これらの「オプション」を取り入れるためには、「別途費用」が必要になります。
「オプション」の設備や調度品には、目印としてシールなどが付けられている場合がほとんどですが、見落とすことも多いので注意が必要です。
また、部屋の「グレード」についてもしっかりと把握しておきましょう。モデルルームが自分たちの購入する住戸と同じであるとは限りません。
グレードや部屋の位置によって、広さや間取り、窓の数などは変わってきます。一方で、天井高や床面の仕様、玄関ドアなどは同じである場合が多いので、共通要素を中心に見学することが大切です。
構造を知り、耐震性を確認しよう
建物の耐震性や地盤の強度については、メディアでも話題となっています。誰もが「より安全な住まいを手に入れたい」と思うはずです。
近年では、「建築基準法」に基づく一定の耐震基準を満たすだけでなく、より揺れを少なくするための「制震」「免震」システムを取り入れた構造のものもあります。
(参考記事:「耐震」「制震」「免震」どれが一番地震に強いの?)
自分が購入するマンションがどのような特徴を持っているのか、しっかりと把握しておきましょう。
さらに、マンションの建つ地盤についても把握しておきたいところです。「構造図」を見せてもらい、建築地盤に合う基礎形状になっているかどうかを確認しましょう。
部屋数や間取りだけで判断しない
「子ども部屋が必要」「書斎が欲しい」といった人は、部屋数を重要視するのではないでしょうか。しかし、部屋数が多ければ暮らしやすいとは限りません。
間取りを選ぶ際は、「2LDK」「3LDK」などの表示に惑わされることなく、専有面積を基準に考えた方が良いでしょう。
「専有面積」とは、バルコニーなどの「共有部分」を除いた、“専有部分”の床面積のことです。この専有面積が広くないのに部屋数が多い住戸は、各部屋の面積が狭いと考えられます。
手狭な部屋は使い勝手が悪い場合があります。また、部屋がたくさんあると、動線も複雑になってしまうため注意が必要です。
防犯対策も要チェック
開口部が多い一戸建てと比較すると、窓や戸口が少ないマンションは防犯性能が高いといえます。しかし、人の出入りが激しいマンションならではの危険もあります。
エントランスのモニター付インターホンやオートロック、監視カメラの設置、管理人の有無などを確認しましょう。さらに、駅からの距離や周辺の人通りなど、マンション建設地の周辺環境を確認することも大切です。
防犯性やプライバシーを確認する際には、販売センターに必ず展示されている「完成模型」を確認するのも有効です。模型を確認することで、自分たちの住戸が他の部屋からどう見えるのかを確認することができます。
特に、複数棟で構成される大型マンションの場合は、向かいの部屋からの視線が気になるところでしょう。モデルルームを見学しただけでは分かりませんが、模型であれば建物全体の位置関係を確認することができます。
さらに、模型ではフェンスの形状や日陰のでき方なども予測することができます。
住宅性能表示も確認しよう
住宅の性能や品質について、何を基準にして判断すれば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。その基準のひとつとなるのが「住宅性能表示」です。
「住宅性能表示」では、指定住宅性能評価機関という専門機関によって、「建築基準法」で定められた一定基準以上の性能が評価されています。
この制度を利用しているものは、建築基準法の基準以上の性能を持っているため、「住宅性能表示」のないものと比較して欠陥などが生じにくいと考えることができます。
モデルルームには、大切なチェックポイントがたくさんあります。確認漏れが無いように、しかりとポイントを整理してからモデルルームに出かけましょう。
また、見ただけでは分からないことは、営業担当者にどんどん質問することが大切です。
(※写真はイメージです)
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